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緊急車両を妨害してしまった! 後日、罰則を受けることはある?

2023年07月31日
  • 交通事故・交通違反
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緊急車両を妨害してしまった! 後日、罰則を受けることはある?

兵庫県が公表している消防防災年報によると、令和2年中の救急出場件数は、26万6899件でした。1日平均731件の救急出場となりますので、2分に1回の割合で救急隊が出場したことになります。

車を運転中に緊急車両が接近してきた場合には、緊急車両に進路を譲るために、道路の左側に寄るなどの対応をしなければなりません。しかし、車内で音楽を大音量で聞いていたようなケースでは、緊急車両の接近に気付かず、意図せずに緊急車両の走行を妨害してしまうことがあります。このように緊急車両を妨害してしまった場合には、後日、罰則を受けることがあるのでしょうか。

今回は、緊急車両の走行を妨害してしまった場合の罰則と妨害しないための対処法などについて、ベリーベスト法律事務所 姫路オフィスの弁護士が解説します。

1、緊急車両を妨害することは法律違反になる

緊急車両の走行を妨害してしまった場合には、どのような罪に問われるのでしょうか。

  1. (1)緊急車両とは

    緊急車両とは、人命救助、事故対応、火災対応など緊急事態に対応するために利用される車両のうち、緊急用務のために運転中の車両をいいます。

    緊急車両に該当するものとしては、以下のような車両が挙げられます。

    • パトカー
    • 救急車
    • 消防車
    • 自衛隊用車両
    • JAFなどのレッカー車両
    • 電力会社、ガス会社などの応急作業車両
    • 病院のドクターカー


    緊急車両がサイレンを鳴らして、赤色の警告灯をつけて走行している場合には、道路交通法の規制が免除され、一般車両による走行妨害が禁止されます

  2. (2)緊急車両の走行を妨害した場合に問われる罪

    緊急車両の走行を妨害してしまった場合には、以下の罪に問われる可能性があります。

    ① 緊急車妨害等違反
    緊急車両がサイレンを鳴らし、赤色の警告灯をつけて接近してきた場合には、一般車両は、緊急車両の走行を妨害しないようにするために、道路の左側に寄って進路を譲ったり、交差点を避けて一時停止したりする義務が課されています(道路交通法40条)。

    これらの義務に違反して、緊急車両の走行を妨害してしまった場合には、緊急車妨害等違反になり、交通違反点数1点が加算され、以下のような反則金が科されます

    大型車7000円
    普通車6000円
    二輪車6000円
    小型特殊車5000円
    原付き5000円


    なお、反則金の支払いに応じない場合には、5万円以下の罰金が科されます。反則金とは異なり、罰金になると前科として扱われますので注意が必要です。

    ② 本線車道緊急車妨害違反
    本線車道とは、高速道路や自動車専用道路のことをいいます。一般道で緊急車両の走行を妨害してしまった場合には、上記の緊急車妨害等違反が成立しますが、高速道路などで緊急車両の走行を妨害してしまった場合には、本線車道緊急妨害違反が成立します(道路交通法75条の6)。

    本線車道緊急妨害違反にあたる場合には、以下のような反則金が科されます。

    大型車7000円
    普通車6000円
    二輪車6000円
    小型特殊車5000円
    原付き5000円


    なお、反則金の支払いに応じない場合には、5万円以下の罰金が科されます

2、後日になって警察から連絡が来ることはある?

緊急車両の走行を妨害してしまった場合、後日、警察から連絡がくることはあるのでしょうか。

  1. (1)意図的な妨害でなければ連絡がくる可能性は低い

    道路交通法の緊急車妨害等違反および本線車道緊急車妨害違反は、故意犯として規定されていますので、故意に緊急車両の走行を妨害してしまった場合に限り、道路交通法違反となります。

    たとえば、車内で音楽を大音量で聞いていたために、緊急車両の接近に気付かず、意図せず緊急車両の走行を妨害してしまったとしても、道路交通法違反とはなりません。

    そのため、意図的な妨害でなければ警察から連絡がくる可能性は低いといえます

  2. (2)意図的かつ悪質なケースでは警察から連絡がくる可能性がある

    意図的に緊急車両の走行を妨害した場合には、道路交通法違反となりますので、後日、警察から連絡がくる可能性があります

    意図的であるかどうかは運転者の内心ですので、外部からはわかりません。そのため、緊急車両の走行を妨害する態様、時間などを総合考慮して、意図的な妨害であったかが判断されます。

    たとえば、緊急車両の前を蛇行運転しながら走行し、追い抜けないようにあえて妨害していたり、あおり運転をしていたりしたような悪質なケースだと、後日、警察から連絡がきて逮捕される可能性もあります。

3、緊急車両を妨害しないためのポイント

緊急車両の走行を妨害しないためにも、車を運転する際には、以下のポイントを押さえておきましょう。

  1. (1)焦らずに対応する

    突然、遠くからサイレンの音が聞こえると、焦ってしまう気持ちもよくわかります。しかし、焦ってハンドル操作を誤ると他の車との衝突の危険がありますので、気持ちを落ち着かせて冷静に対応することが大切です。

  2. (2)周囲の車の動きをよく確認する

    サイレンの音が聞こえても、どこから緊急車両が来ているのかがわからないことがあります。そのようなときは、周囲の車の動きをよく確認するとよいでしょう。

    緊急車両に進路を譲るために、道路の左側に寄ったり、一時停止したりしている車がいれば、その方向から緊急車両が来ているということです。他の車の対応を見ながら、緊急車両の走行を妨害しないような場所に車を止め、進路を譲りましょう。

  3. (3)急ブレーキを踏まない

    緊急車両がきたからといっても、急ブレーキを踏んではいけません。急ブレーキを踏むと、後続車両が回避できず追突してしまう危険があるからです。
    緊急車両の存在を確認したら、ゆっくりと速度を落としていき、安全な場所で一時停止するようにしましょう。

  4. (4)渋滞時は二車線道路の中央を空ける

    緊急車両に進路を譲る場合には、原則として、道路の左側に寄って一時停止することが求められます。しかし、道路状況によっては、右側に寄って進路を譲ることも認められています。

    たとえば、渋滞時の二車線道路では、右側車線を走行中の車両が左側に寄ってしまうと、緊急車両の走行を妨害するおそれがありますので、左車線の車は左に寄り、右車線の車は右に寄るなどの方法で、中央の進路を空けるなどの工夫も必要になります。道路状況に応じて柔軟に対応することが大切です。

4、緊急車両や他の車と事故を起こしてしまったら

緊急車両や他の車と事故を起こしてしまったら、以下のような対処が必要です。

  1. (1)怪我人の有無を確認

    緊急車両や他の車と事故を起こしてしまった場合には、車を安全な場所に止めて、怪我人の有無を確認します。怪我人がいる場合には、救急車の手配などを求める必要があります。

    怪我人がいるにもかかわらず、必要な救護措置をとらないで現場を立ち去ってしまうと、ひき逃げ(救護義務違反)として処罰されますので注意が必要です。

  2. (2)警察に連絡

    最寄りの警察署に事故の連絡をします。軽微な事故であっても、事故が発生した場合には、警察への報告が義務付けられていますので、必ず連絡をしましょう。当事者同士の話し合いだけで済ませてしまうと、後日、怪我などが明らかになったとしても保険を利用できないリスクもあります。

    警察に連絡後は、事故状況を証拠に残しておくために、カメラなどで、現場の道路状況、衝突地点、事故車両の損壊状況などを撮影しておくとよいでしょう。これらの写真があれば、今後の示談交渉の際に役に立つことがあります。

  3. (3)保険会社に連絡

    任意保険に加入している場合には、事故を起こしてしまったことを保険会社に連絡します。保険会社への通知を怠ると、保険金が支払われない可能性もありますので、速やかに連絡をするようにしましょう

    また、事故の相手が加入する任意保険会社や自賠責保険会社も確認しておくようにしましょう。その際には、口頭での確認だけでなく、保険証券などで確認します。

  4. (4)示談交渉の際には弁護士に相談する

    緊急車両との事故や緊急車両に進路を譲る際の事故では、過失割合が問題になるケースが多いです。通常と異なる状況での事故ですので、具体的な状況に応じた適切な過失割合を主張していくことが大切です。

    任意保険に加入している場合には、保険会社の担当者が窓口になり、被害者との示談交渉を進めてくれますが、保険会社の担当者の考える過失割合に納得ができない場合には、一度弁護士に相談してみるとよいでしょう。

5、まとめ

車を運転していると、パトカー、救急車、消防車などの緊急車両に遭遇するケースも少なくありません。サイレンを鳴らして、赤色の警告灯をつけて走行している場合には、緊急車両に進路を譲るなどの対応をしなければなりませんので、まずは、落ち着いて対応するようにしましょう。

意図的に緊急車両の走行を妨害してしまった場合には、道路交通法違反として、後日警察から連絡がくることもあります。うっかり事故を起こしたり、悪質な妨害行為をしたりしないように気を付けて運転するようにしてください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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