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ライブチケットの転売で逮捕される可能性はある? 問われる罪とは

2023年09月26日
  • 財産事件
  • チケット転売
  • 逮捕
ライブチケットの転売で逮捕される可能性はある? 問われる罪とは

チケット不正転売禁止法は令和元年6月に施行されています。姫路市内で開催される興行のチケット転売のみならず、他県のチケット転売によって逮捕に至った事件は、それ以前にも発生していることをご存じでしょうか。

2023年9月には、SNSや転売サイトでプロ野球の観戦チケットが高額で転売されニュースとなりました。それだけではなく、相手からチケットが受け取れなかったり、受け取ったチケットで入場ができなかったなどの相談が、兵庫県警に複数寄せられています。

逮捕され、有罪になれば、当然前科がつきます。前科がついてしまうと、将来への影響が大きくなる可能性は否定できないでしょう。もし家族が、チケット転売で逮捕されたらどうすべきか、ベリーベスト法律事務所 姫路オフィスの弁護士が解説します。

1、逮捕もされるチケット不正転売禁止法の成立

これまでチケットの転売は、ダフ屋行為として各都道府県の迷惑防止条例によって規制を受けていました。もちろん兵庫県の迷惑防止条例でも規制の対象となっていて、冒頭の事件のように、転売目的で購入したチケットや乗車券を公共の場や乗り物内で販売すると逮捕される可能性があります。

しかし、それだけでは増加しつつあるインターネットを介したチケット転売の取り締まりが難しいという現状がありました。そこで、今までよりも規制を強化した、通称「チケット不正転売禁止法」(法律の正式名称は『特定興行入場券の不正転売等による興行入場券の適正な流通確保に関する法律』)が、平成30年12月8日に新しく成立し、すでに施行しています。東京オリンピックに向けたチケット転売対策のひとつとして報道されていたことから、聞いたことがある方も多いでしょう。

チケット不正転売禁止法の施行により、インターネット取引も含めた不正転売が違法行為となり、逮捕される可能性があります。また、転売目的でチケットを購入したときも、チケット不正転売禁止法違反として取り締まりを受けることになるでしょう。

なお、同法において、不正に転売されたチケットを知らずに購入した者が罪に問われることはありません。しかし、不正に転売されているチケットだということを購入者側が理解したうえで購入したケースであれば、話が変わります。状況によっては、「盗品等有償譲受罪」や「詐欺ほう助罪」容疑によって、罪が問われてしまう可能性あるでしょう。

2、どこからチケット転売で逮捕されるのか?

チケット転売といっても、利益を得るために転売するケースと、単純に自分が行けなくなったので定価や定価以下の価格で譲ろうとするケースがあると考えられます。さて、どこからが罪に問われることになるのでしょうか。

その線引きについて、解説します。

  1. (1)チケット転売で逮捕される対象のチケット

    まず対象となるチケットの分野としては、映画、演劇、演芸、音楽、舞踏、その他芸術、芸能またはスポーツを不特定多数に見せ、聴かせる興行分野です。そのうち、日本国内で開催される興行に限られています。

    そして、上記の分野の中で、以下の条件が整えられたチケット(興行入場券)が同法による規制対象となります。

    • チケットを買うときに「無断転売禁止」というただし書きが利用規約にある
    • 入場できる方の氏名と連絡先を確認している
    • チケットにも「無断転売禁止」「入場者氏名」「連絡先」「開催日時」「座席番号」が表示されている


    チケットの素材などに制約はありません。紙で発行されたチケットだけではなく、上記の条件を満たしていれば、たとえば「QRコード」などを用いて発行された入場券なども対象となります。

  2. (2)逮捕されるチケット転売の行為

    同法で罰則が定められている行為は、前述のとおり「不正転売」と、転売目的の「譲受け」です。

    チケット不正転売禁止法によって規制される「不正転売」とは、興行主に無断で、業として行う有償譲渡のうち、「興行主の販売価格を超える価格」で販売する行為を指します。

    「業として」と明記されていることから、一度だけでなく、繰り返し高額転売を行っているケースが該当するでしょう。また「仕入れ行為」とは、実際に観戦などをする予定がなく、不正転売を行うことを目的に入場券を入手することを指します。

    あくまで「興行主の販売価格を超える」価格での転売が禁止されていることから、同額や定価以下で行う転売は禁止されません。もちろんタダで譲渡することも自由です。したがって、急に自分がコンサートに行けなくなって、友達に同額以下で譲り渡すケースであれば、逮捕される可能性はないでしょう。

    ただし、「有償」の部分に関しては、必ずしも現金だけが該当するわけではない点に注意が必要です。たとえば、見返りとしての物や役務でも、対価性があると認められれば有償で転売したとみなされる可能性があるので注意してください。

    もし、チケット不正転売禁止法違反の容疑で逮捕されて有罪となれば、1年以下の懲役または100万円以下の罰金、またはこれを併科することが定められています。

    なお、オークションサイトに不要になったチケットを出品して、結果的に金額が販売価格よりも高くなったというケースもあるかもしれません。この際、何度も同じ行為をしていると、業として不正転売を行っていると逮捕される可能性があるでしょう。裁判になったときに争う要件が出てくるかもしれません。

3、具体的なチケット転売による逮捕ケース

前述のとおり、「チケット不正転売規制法」は令和元年6月14日から施行されています。

しかし、チケット転売は以前より厳しく取り締まりを受けていたという事実を忘れてはなりません。「チケット不正転売禁止法」に該当しない可能性がある行為であっても、次に解説する刑罰が適用される可能性がある点に注意が必要です。

  1. (1)迷惑防止条例違反でのチケット転売逮捕

    チケットのダフ屋行為(つきまとい、押し売り、高額転売)などは、以前より取り締まり対象でした。兵庫県でも迷惑防止条例によって、このようなダフ屋行為を規制対象としています。

    姫路市内はもちろん、兵庫県内においてダフ屋行為をし、有罪になれば、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金が科されることになります。なお、他県でダフ屋行為をした場合、該当地域で逮捕される可能性があるでしょう。

  2. (2)詐欺罪でのチケット転売逮捕

    詐欺罪は、刑法第264条に規定されている犯罪です。高額転売目的を隠してチケットを入手することが、詐欺罪に該当しうるとした事例がすでに複数あります。

    たとえば、電子チケットとして発行されていた人気ミュージシャンのライブチケットを転売目的で取得した容疑で詐欺罪に問われた男に対し、神戸地方裁判所は平成29年9月22日に、懲役2年6か月、執行猶予4年(求刑・懲役2年6か月)の判決を下したという報道がされました。本件の場合は、転売行為そのものではなく、「転売目的のチケットの購入行為」を詐欺行為と捉えたことから、画期的な判決として話題を呼んでいます。

    最近は購入者と入場者が同一人物でないことが判明すると、会場で入場を断ることを明言する興行主も増加しています。その事実を知っているにもかかわらず、第三者に対してチケット転売したケースも、「本当は使えないチケットを使えると偽り販売した」とみなされ、詐欺罪に問われる可能性があります。

    なお、詐欺罪の法定刑は懲役10年以下と規定されています。罰金の設定がないという点で、迷惑行為防止条例違反や、施行されたばかりのチケット不正転売禁止法などに比べても非常に刑が重くなる可能性があるといえるでしょう。

  3. (3)古物営業法違反でのチケット転売逮捕

    そのほかにも、珍しいケースではありますが、チケット転売した行為を古物営業法違反に問われることがあります。

    平成28年9月、アイドルグループのコンサートチケットを無許可でネット上にて転売した女が、古物営業法違反(無許可営業)の疑いで逮捕されたという報道がありました。

    まだ公演が行われていないのに古物営業法違反が適用されることを不思議に思われるかもしれません。「古物」とは、大ざっぱにいえば「一度は使われた物」ですが、開演前のチケットのように未使用でも、「使用のために取引されたもの」であれば、古物と解釈されることがあります。そして、古物は免許がなければ売買してはいけないのです。上記のケースは「無許可で金券ショップを運営した」と考えると理解しやすいかもしれません。古物営業法違反で有罪になったときの量刑は、3年以下の懲役または100万円以下の罰金です。

    このほか、チケットを高値で転売したとして、「物価統制令」違反で逮捕された例もあります。物価統制令違反で有罪となると、10年以下の懲役または500万円以下の罰金が処されることになります。

4、チケット転売で逮捕されたら弁護士に相談すべき?

もしあなたの家族がチケット転売容疑で逮捕されたとしたら、家族にできることは、弁護士を依頼することが挙げられます。

特に、逮捕から最長72時間の間は、家族であっても面会が制限されます。その間に事件の取り調べは行われているため、その際に打てる手が一切打てないという事態になりかねません。弁護士からのアドバイスがなければ、最初の調書で警察に促されるまま判を押してしまう危険性もあるのです。

家族の面会が制限されている期間でも、依頼を受けた弁護士であれば、直接話を聞いたり、家族の代わりに差し入れを持っていったりするも可能です。さらに、直接話を聞いた弁護士によって、早期釈放や不起訴を目指した積極的な弁護活動を行えるでしょう。

また、チケット転売については、どの程度から逮捕されるかにおいて、「業として行っているかどうか」が争点になる場合もあります。状況によっては「本当は行くつもりだったから、転売目的ではない」という主張が認められるケースもありえます。また、詐欺事件など被害者が存在するケースでは、示談成立によって起訴の回避を目指すこともできます。

無罪を主張するケースなど、争うポイントがある場合は、より弁護士の力が必要となるでしょう。まずは弁護士に相談することを強くおすすめします。

5、まとめ

転売サイトなどを利用して定価よりも高額で販売するという事例が問題化しており、チケットの転売行為は、状況によって逮捕されてしまう可能性があります。

これまで、不要になったり、行けなくなってしまったりしたチケットを人に譲ったことがある方は多いでしょう。チケットの転売行為はこれまでよりももっと厳しい取り締まりがはじまっています。原則、定価でのやりとりであれば問題ないと考えられますが、「今までは大丈夫」が、まかり通らないこともあるかもしれません。

万が一、あなた自身やあなたの家族が逮捕されたときや、逮捕されそうなときは、なるべく早く弁護士に相談することをおすすめします。ベリーベスト法律事務所 姫路オフィスでは、最新の法律に準じた対応を行います。状況が早ければ早いほど、最善の対策を検討できますので、ぜひお気軽に相談してださい。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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