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債務名義とは何か? 取得方法から強制執行までの流れも解説

2021年11月11日
  • その他
  • 債務名義
債務名義とは何か? 取得方法から強制執行までの流れも解説

兵庫県の統計によると、令和2年中の同県内における企業倒産は396件で、前年比18.5%の減少となりました。

債務者が任意に債務を支払わない場合、最終的には強制執行の手続きをとる必要があります。強制執行を申し立てる際には、事前に「債務名義」を取得しなければなりません。

本コラムでは、債務名義の取得方法や強制執行の流れなどについて、ベリーベスト法律事務所 姫路オフィスの弁護士が解説します。

(出典:「兵庫県の経済・雇用情勢(令和3年6月)」(兵庫県))

1、債務名義とは? 種類と取得方法について

「債務名義」(民事執行法第22条)とは、強制執行を申し立てる際に必要となる文書を意味します

債務名義の種類およびそれぞれの取得方法は、以下のとおりです。

① 確定判決
控訴・上告の手続きを経て(または控訴・上告が行われずに)確定した判決は、債務名義として用いることができます。確定判決を取得するには、裁判所に訴訟を提起しなければなりません。

② 仮執行宣言付判決
未確定の判決であっても、判決中に仮執行宣言が付されていれば、債務名義として用いることができます。仮執行宣言付判決を取得するには、確定判決と同様に、訴訟の提起が必要です。

③ 抗告によらなければ不服申し立てができない裁判
判決以外の裁判所による決定・命令についても、抗告によらなければ不服申し立てを行うことができない場合には、債務名義として用いることができます。民事保全処分の命令(仮差押・仮処分)が代表例です。

④ 仮執行宣言付損害賠償命令
殺人・傷害致死・強制性交等・逮捕監禁・未成年者略取などの罪の被害者は、加害者に対して損害賠償を命ずるように、裁判所に申し立てを行うことができます(犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第23条第1項)。同法に基づく申し立てにより、裁判所が仮執行宣言付損害賠償命令を発した場合、そのまま債務名義として利用できます。

⑤ 仮執行宣言付届出債権支払命令
消費者被害が発生した場合、特定適格消費者団体は、個々の消費者に対して事業者が共通して負う義務を確認する、「共通義務確認の訴え」を提起することが認められています(消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律第3条第1項)。
共通義務確認の訴えによる請求が認容された場合、個々の消費者に対する支払額を確定するため、「簡易確定手続」が実施されます(同法第12条以下)。
簡易確定手続の中で、最終的に裁判所は、個々の消費者による届出債権の支払いを命ずる「簡易確定決定」を行います。この簡易確定決定(=届出債権支払命令)は、そのまま債務名義として用いることが可能です。

⑥ 仮執行宣言付支払督促
「支払督促」は、裁判所から債務者に対して、債務の支払いを督促してもらう法的手続きです。債務者には2回の異議申し立ての機会が認められていますが、異議申し立てがなかった場合には、仮執行宣言付支払督促が確定し、債務名義として用いることができます。

⑦ 訴訟費用等の金額を定める裁判所書記官の処分
訴訟・審判・強制執行などの費用に関する裁判所書記官の決定は、そのまま債務名義として利用できます。これらの決定は、各裁判手続きに付随して行われます。

⑧ 執行証書(強制執行認諾文言付公正証書)
債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されている公正証書は「執行証書」と呼ばれ、金銭債務等に限って、強制執行の債務名義として利用可能です。執行証書は、公証役場で作成できます。

⑨ 確定した執行判決のある外国裁判所の判決

⑩ 確定した執行決定のある仲裁判断
外国裁判所の判決や仲裁判断も、日本の裁判所における確定判決等に準じて、強制執行の債務名義として用いることができます。

⑪ 確定判決と同一の効力を有するもの
和解調書・調停調書・労働審判など、確定判決と同一の効力を有する公文書については、そのまま債務名義として利用できます。
取得可能な手続きは以下のとおりです。
(a) 和解調書:訴訟
(b) 調停調書:民事調停や家事調停
(c) 労働審判:労働審判

2、強制執行の種類と債権執行の流れ

強制執行には、主に「不動産執行」「動産執行」「債権執行」の3種類があります(船舶に対する強制執行は、一般的でないため除外します)。

そのうち、預貯金債権や給与債権を差し押さえる「債権執行」がもっともよく活用されます。

  1. (1)強制執行は主に「不動産執行」「動産執行」「債権執行」の3種類

    強制執行は、対象となる財産の種類によって、不動産執行・動産執行・債権執行の3種類に分かれます。

    ① 不動産執行(民事執行法第43条以下)
    土地や建物などの不動産を差し押さえ、換価・処分して債権の弁済に充当します。

    ② 動産執行(同法第122条以下)
    現金のほか、宝飾品・絵画などの価値ある動産を差し押さえ、換価・処分して債権の弁済に充当します。

    ③ 債権執行(同法第143条以下)
    預貯金債権・給与債権・売掛金債権などを差し押さえ、回収した金銭を債権の弁済に充当します。

  2. (2)債権執行の流れ

    強制執行のうち、もっとも頻繁に利用される「債権執行」は、大まかに以下の流れで進行します。

    ① 債権執行の申し立て
    債務者の住所地を管轄する地方裁判所に対して、債権執行を開始するよう申し立てを行います。

    申立書には原則として、「執行文」の付された債務名義の正本を添付することが必要です。
    執行文は、執行証書以外の債務名義については裁判所書記官が、執行証書については公証人が付与します(民事執行法第26条第1項)。

    なお、以下の債務名義については、執行文の付与は不要です。

    • 少額訴訟における確定判決
    • 仮執行宣言付の少額訴訟の判決
    • 仮執行宣言付支払督促


    その他の必要書類については、以下の裁判所HPをご参照ください。
    (参考:「債権差押命令の申し立てをされる方へ」(裁判所))

    ② 債権差押命令の発令・発送
    裁判所が申立書等を審査した後、債権差押命令を発令し、第三債務者(対象債権の債務者)と債務者(強制執行の相手方)にそれぞれ発送します。
    送達が完了すると、債権者にも差押命令正本と送達通知書が送付されます。

    ③ 取立権の発生
    債務者が債権差押命令正本を受け取ってから、原則として1週間を経過した場合、債権者に第三債務者に対する取立権が発生します。
    ただし以下の債権については、例外的に取立権の発生時期が、債務者が債権差押命令正本を受け取ってから4週間後となります。

    • 国および地方公共団体以外の者から生計を維持するために支給を受ける継続的給付に関する債権
    • 給料、賃金、俸給、退職年金および賞与ならびにこれらの性質を有する給与に関する債権
    • 退職手当およびその性質を有する給与に関する債権


    ④ 第三債務者に対する取り立て
    債権者が第三債務者に対して直接連絡し、債権を取り立てます。
    取り立てによって得た金銭は、債権の弁済に充当します。

    これで債権執行は完了です。

3、債権回収を弁護士に相談するメリット

債務者が任意に支払いを行わない状況で、債権回収を成功させるためには、弁護士に相談することをおすすめします。
債権回収を弁護士に依頼すると、以下のようなメリットを受けられます。

  1. (1)債務者に心理的プレッシャーを与えられる

    弁護士を通じて債務の支払いを求めることで、債権回収に本腰を入れて取り組んでいるという姿勢を債務者に伝えることができます

    最終的には法的手続きによって債権回収がなされてしまうことを恐れて、任意に債務を弁済する可能性が高まるでしょう。

  2. (2)財産の調査を依頼できる

    強制執行の手続きをとる場合、差し押さえるべき債務者の財産を特定しなければなりません。しかし、債権者が自力で債務者の財産を特定することは、かなり難しいと言わざるを得ません。

    弁護士に依頼すれば、以下の手続きを通じて、差し押さえるべき債務者の財産を特定することができます

    • 弁護士会照会(弁護士法第23条の2)
    • 財産開示手続(民事執行法第196条以下)
    • 第三者からの情報取得手続(同法第204条以下)
      など


  3. (3)強制執行の手続きを全面的にサポートしてもらえる

    強制執行の手続き自体、裁判所を通じて申し立てを行う必要があるため、一般の方にとってはハードルが高く感じられるかもしれません。

    弁護士に依頼すれば、最後の仕上げに当たる強制執行の手続きまで、ワンストップでサポートを受けられます
    労力と精神的な負担を軽減しながら債権回収を成功させるためには、弁護士へ依頼することを検討するのもひとつの手です。

4、債権が少額の場合は、少額訴訟も利用可能

回収すべき債権が少額の場合、スムーズに債権回収を実現するには、少額訴訟を利用するのもひとつの選択肢です。
(参考:「少額訴訟」(裁判所))

少額訴訟は、60万円以下の金銭の支払いを請求する場合に限り利用できます

少額訴訟の審理は原則として1回で終了するほか、強制執行の際に執行文の付与が不要となるため、債権者にとって利便性の高い手続きです。弁護士に依頼せずとも利用しやすいため、少額債権を回収したい場合には、ぜひ利用をご検討ください

5、まとめ

債務者から任意に債権の弁済を受けられない場合、債務名義の取得から強制執行まで、長丁場の法的手続きをこなす必要があります。

債権者本人だけでこれらの手続きに対応することは大変なので、弁護士へのご相談をおすすめします。

ベリーベスト法律事務所にご依頼いただければ、迅速・円滑な債権回収を実現すべく、専門チームが全面的にサポートします。債権回収にお悩みの方は、お早めにベリーベスト法律事務所にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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