サービス業従事者が残業代請求を弁護士に依頼した場合の費用は?

2020年01月22日
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サービス業従事者が残業代請求を弁護士に依頼した場合の費用は?

姫路市が公表している「姫路市主要統計指標」によると、平成30年度の新規求職者数が 56094人でした。産業別で前年比をみると、「学術研究、専門・技術サービス業」で1.4%、「宿泊業、飲食サービス業」10.4%、「複合サービス事業、Rサービス業」は15.6%と増加傾向にあり、いずれもサービス業においては人手不足状態が続いているようです。

人手不足が続くと、すでに働いている労働者に残業という形で負担がのしかかってしまいます。残念ながら、サービス業の大半を占める中小零細企業は、たとえ従業員が直接残業代請求したとしても支払いに応じないというケースが少なくないようです。法的措置が必要なケースが少なくありません。

そこで、今回はベリーベスト法律事務所 姫路オフィスの弁護士が、残業代請求を弁護に依頼する際の費用について解説します。

1、弁護士に残業代請求を依頼したときの費用相場や内訳は?

残業代請求を弁護士に依頼した場合、弁護士に支払う費用が発生します。高いのではと懸念し、依頼を迷う方が多いようですが、実際には回収できた残業代から支払えることになるケースがほとんどです。つまり、あなたが持ち出しでお金を支払うことになるケースの場合は、あらかじめ弁護士から説明があるはずです。逆に、料金の説明をしない弁護士に依頼することは避けたほうが賢明です。

まずは、弁護士費用の相場と内訳について解説します。

  • 相談料
  • 弁護士に依頼する前に、状況を話して相談する必要がありますが相談料が発生します。ただ、初回相談無料残業代請求に伴う相談だけなら何度でも無料という事務所も増えています。初期費用を抑えたい方は、無料相談を上手に活用するとよいでしょう。

  • 着手金
  • 弁護士へ未払い残業代の請求手続きを正式に依頼することが決まると、着手金が発生します。着手金が発生する事務所に依頼するときは、残業代が請求できなかった場合も支払わなければなりません。最近は着手金無料の弁護士事務所も増えています。初期費用ゼロ円で依頼したいと考えている方は検討してみるとよいでしょう。

  • 手数料
  • 内容証明郵便など、手続きの中で必要とされる各種の書類を弁護士の側で作成するための費用が手数料です。請求相手となる本社が東京にあるなど、遠方に出向く必要があるときなどは交通費がかかることがあります。手数料の相場は、必要な手続きの内容によって異なります。数万円程度となるでしょう。

  • 成功報酬
  • 成功報酬とは、報酬金とも呼ばれるお金です。残業代の請求に成功した場合、回収金額の一部を弁護士に支払うものです。回収成功金額のうちの20~30%程度が相場といわれています。繰り返しになりますが、支払う必要がある弁護士費用が成功報酬や手数料などのみであれば、基本的に回収できる残業代以上のお金はかかりません。つまり、マイナスにはならないでしょう。

2、弁護士に依頼するメリット

弁護士に残業代請求を一任するデメリットは、完全成功報酬制であればほぼありません。そこで、未払いの残業代請求を弁護士に依頼するメリットを解説します。

  1. (1)残業代回収までの時間が短くなる

    未払い残業代請求を弁護士に依頼すれば、支払いを受けるまでにかかる時間を確実に短縮できます

    残業代がいくらになるのかという計算や請求の手続き自体を慣れない個人が行うと時間がかかりますが、弁護士に任せれば、短時間で手続きを行うことができます。残業代請求の初期段階は時効との戦いです。未払い残業代は2年で時効となり、請求できなくなってしまうため、スピーディーな対応が求められます。早く対応することで、早期解決が望めるだけでなく、時効を中断できるという点も弁護士に依頼する大きなメリットです。

  2. (2)書類作成などの手間がかからない

    残業代の請求について弁護士に依頼すれば、ほとんど個人で対応すべきことはありません。限られた時間はあなた自身のために有効活用することができます。この間、ゆっくり休むことはもちろん、求職活動に注力することも可能です。

  3. (3)残業代請求の成功率が高くなる

    弁護士は、残業代請求に必要な証拠集めについて、適切なアドバイスを行います。どのような証拠を集めればよいのかわからないときなどはぜひご相談ください。

    さらに依頼を受けた弁護士は、あなたの代理人として雇用者側と直接交渉するため、訴訟を視野に入れ優位に立った交渉が望めます。多くの雇用者は訴訟を提起されることを恐れています。なぜなら、特にサービス業においては、ブラック企業というレッテルをクチコミなどで貼られてしまうと、事業上においても大きな打撃を受けることが少なくないためです。そこで、支払わなければ訴訟を提起するという前提で交渉できる弁護士が交渉することによって、早急に解決できることがあります。確実に請求を成功させたいのであれば、弁護士に相談すべきでしょう。

  4. (4)残業代請求を弁護士に一任して業務や職探しに専念できる

    残業代請求は、非常に時間と手間がかかる上に、精神的にも大きなストレスになります。支払わないと主張している会社側と労働者が交渉することは簡単なことではありません。在職中に残業代請求をするならなおさらです。

    また、退職後に残業代を請求する場合は職探しや新しい職場での業務があるため、残業代請求に手間や時間をかける余裕はないでしょう。しかし、弁護士に依頼すれば残業代請求に必要なほとんどの手続きを依頼できるので、就職活動や新しい職場での業務に専念することが可能となります。

    ストレスを感じることなく残業代請求をしたい方にとって、「すべてを任せられること」は非常に大きなメリットとなります。

3、費用を抑えるために

未払い残業代の請求を弁護士に依頼する際にかかる費用を抑える方法を解説します。

  1. (1)できる限りの証拠を集める

    残業代を請求する上では、残業していたことを、労働者側が立証しなければなりません。証拠の量が多いほど、また説得力があるものであるほどに残業代の支払いを受けることのできる可能性は高くなります。つまりは証拠がたくさんあれば、請求手続きが失敗に終わる確率は低くなるのです。

    成功報酬は支払いを受けた金額から支出するものですから、マイナスになることもありません。そのほかにかかる実費を抑えるためにも、どのような小さな証拠でもいいので残業時間を証明する証拠を数多く集めておきましょう

  2. (2)無料相談を利用する

    一般的に、残業代請求を弁護士に依頼する前に相談をしますが、その際に無料相談を利用することで、弁護士費用を節約できる可能性があります。相談分の費用をゼロにできるだけでなく、無料相談の法律事務所を複数訪問することで、あなたにとって相談しやすい弁護士事務所を選ぶことも可能です。

    また、残業の証拠を集めるポイントもアドバイスしてもらえるので証拠集めにも役立ちます。

  3. (3)料金プランの確認

    弁護士費用は、事務所ごとはもちろん、請求する残業代やその過程、証拠の有無などによって異なることになります。しかし、問い合わせをすれば多くの事務所で概算を教えてくれるはずです。総額でいくら必要なのか、初期費用はいくらか、という点で比較することもひとつの手です。

    また、初回の相談時に料金を明確に提示する事務所を選ぶことも大切です。あとからさまざまな費用を請求されたというトラブルもあるようです。サイト上などで料金が明確に提示されている法律事務所や、初回相談時にすべての金額を明瞭に提示してくれる弁護士が良心的といえるでしょう。

    ベリーベスト法律事務所ではサイト上で料金を公開しています。問い合わせの際にもお答えできますので、お気軽にお問い合わせください。

4、まとめ

多くの雇用主は、個人の請求を軽視する傾向があり、個人で残業代の請求を行っても、対応してもらえることが非常に難しいものです。だからこそ、弁護士に依頼することをおすすめします。残業代請求の成功率や回収完了までのスピードが大幅に変わるはずです。

ベリーベスト法律事務所 姫路オフィスでも、あなたの状況に合わせて最適なアドバイスを行います。まずはお気軽に相談してください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています