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「休むなら代わりを探して」は違法? 企業が注意するべき法律とは

2022年10月06日
  • 一般企業法務
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「休むなら代わりを探して」は違法? 企業が注意するべき法律とは

アルバイト、パート、正社員を問わず、従業員が有給休暇を申請してきたときに、「休むなら代わりを探して」と思わず言ってしまったことはないでしょうか。

また、休みを申し出る際に、代替要員を確保することを暗黙のルールとして運用しているようなケースはないでしょうか。

この記事では、休暇申請があった場合に代替要員を確保させる場合の問題や関連する有給休暇などの注意点について、ベリーベスト法律事務所 姫路オフィスの弁護士が解説いたします。

1、労働者に対する「休むなら自分で代わりを探せ」は違法になるのか

人手不足のときや繁忙期に、社員、アルバイト、パートから有給休暇の申請がくると、思わず「休むなら代わりを探して!」と言ってしまいそうになることもあるかもしれません。しかし、こうした言動には注意が必要です。

  1. (1)業務命令権の濫用の可能性

    正社員はもちろん、アルバイトやパートなどの従業員も、会社と雇用契約を締結しており、その労働力をどのように活用するかを会社にゆだねています。したがって、会社には労働者に対して、業務に必要な指示命令をだす業務命令権があります。

    そのため、「休むなら自分で代わりを探せ」という指示も、円滑な業務遂行のための業務命令だと考えている管理者の方もいるかもしれません。

    しかし、労働者には勤務の継続期間など一定の条件を満たすことで有給休暇を取得する権利があり(労働基準法39条)、この際に代替要員を確保しなければならない義務は負っていません。むしろ、会社側が、労働者が有給休暇を取得しても円滑に業務を遂行できるよう、代替要員を確保・手配するなど必要な配慮をしなければならないとされています

    労働者が自ら代わりの人員を確保しなければ有給を取得できないと思わせる行為は、会社が本来すべき配慮を怠って労働者の権利行使を妨げるものとして、業務命令権の濫用であり違法行為とされる可能性があります。

  2. (2)「繁忙期」の時季変更権は認められない?

    会社は、労働者が希望する有給休暇の時期が「事業の正常な運営を妨げる場合」には例外的に有給休暇のタイミングを変更できるという、時季変更権を行使することができます(労働基準法39条5項)。

    そのため、従業員の有給のタイミングが繁忙期と重なると、つい「忙しい時期だから、休むなら代わりの人を探して! できなければ出社して」と言いたくなるかもしれません。

    しかし、時季変更権の行使が認められるかどうかはかなり厳格に判断されており、単に繁忙期であることだけを理由とした時季変更権は原則として認められていません。時季変更権は、会社側で事前の配置換えやシフト調整など、労働者に対する十分な配慮をした上で、それでもなお事業の正常な運営が妨げられるような場合でなければ認められません。

    要件を満たした適法な時季変更権の行使であるかについては、弁護士に相談してみることをおすすめします。

2、従業員の雇用で注意すべきポイント

従業員を雇用する場合、有給休暇をはじめとして、「休み」に関して会社が注意すべきポイントがあります。

ここでは、有給休暇の条件、休憩時間、割増賃金など、労働トラブルに陥りがちなポイントについて解説いたします。

  1. (1)有給休暇の条件

    会社は一定の条件を満たした労働者には、年次有給休暇を付与しなくてはなりません。

    有給休暇の条件は、
    ① 雇入れの日から起算して6か月継続勤務していること
    ② 全労働日の8割以上出勤したこと
    の2つになります。

    いわゆる正社員はもちろんですが、アルバイトやパートであっても、この2つの要件を満たした場合には、有給休暇を付与する必要があります。

    正社員などいわゆるフルタイムの労働者(週所定労働時間が30時間以上、所定労働日数が週5日以上の労働者、または1年間の所定労働日数が217日以上の労働者)には、取得条件を満たした段階で10日の有給休暇が付与されることになります。

    多くのアルバイトやパートなど、「週所定労働時間が30時間未満で、かつ、週所定労働日数が4日以下、または1年間の所定労働日数が48日から216日まで」の所定労働日数が少ない労働者には、有給休暇の取得条件を満たした段階で、所定労働日数に比例して算定される1日から7日の有給休暇が付与されることになります。

    この付与される有給休暇は、勤続年数とともに増加し、勤続年数6年6か月の時点で最高限度(一般の労働者であれば20日)となり、それ以降付与される有給休暇は増加しません。

  2. (2)休憩時間

    休憩時間についても、労働基準法にルールが定められており、正社員、アルバイトやパートを問わず適用されます。

    会社は、6時間を超え8時間以内の労働をさせる場合には少なくとも45分、8時間を超えて労働させる場合は少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなくてはなりません。

    この休憩時間は、効果を上げるためにも事業場単位で一斉に付与しなければならないものとされています(一斉休憩の原則)。もっとも、個別の事情に配慮して労使協定による例外が認められています。また、坑内労働や販売業・サービス業などの一部事業には、そもそもこの原則が適用されません。

    そのほか、職場の規律保持などの観点から合理的な制約を受ける場合はあるものの、休憩時間は労働者が時間を自由に利用できるようにしておかなくてはならないとされています(自由利用の原則)。

  3. (3)割増賃金

    割増賃金についても労働基準法にルールが定められており、正社員、アルバイトやパートを問わず適用されます。ここでは基本的な割増賃金の考え方についてご説明いたします。

    • 割増率
    • 使用者は、時間外労働および休日労働をさせた場合には、通常の労働時間または労働日の賃金の25%以上50%以下の範囲内で、政令の定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。割増率は現在、時間外労働については25%、休日労働については35%と定められています。

      また、午後10時から午前5時までの時間帯に労働(深夜労働)をさせた場合には、通常の労働時間の賃金の25%以上の率で計算した割増賃金を支払います。深夜労働と時間外労働または休日労働が重複する場合には、割増率は合算され、それぞれ50%以上、60%以上の割増賃金を支払わなくてはなりません。

    • 算定の基礎となる賃金
    • 割増賃金の算定の基礎となる通常の労働時間または通常の労働日の賃金とは、アルバイトなど時給制の場合には、その時給額によります。月給制、週給性、日給制の場合には、それぞれの金額をそれぞれ1か月、1週、1日の所定労働時間で除した額とされています。

      たとえば、時給1200円のアルバイトの方が、時間外労働を2時間した場合には、1200円×2時間×1.25(割増率25%)=3000円の割増賃金を支払うことになります。


3、違反した場合の罰則

会社が労働基準法に違反した場合には、罰則の対象になるおそれがあるので、注意が必要です。

たとえば、時季変更権を不当に行使し、労働者が指定した時季に有給休暇を取得させなかった場合には、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金の対象になります(労働基準法第109条)。また、36協定違反などの労働者に違法な時間外労働をさせる行為や時間外労働、深夜労働、休日労働についての割増賃金の不払いなども同様です。

4、従業員とトラブルにならないために企業がやるべきこと

「休みなら代わりの人を探して」などと思わず言ってしまいそうになるかもしれませんが、これまでのご説明のとおり、労働者に適切に有休休暇を取得させなかったことで労働基準法に抵触してしまい、最悪の場合、刑事罰の対象となる可能性があります。

また労働基準法に違反していた場合には、刑事罰だけではなく、従業員と民事上のトラブルになり、思いもよらない未払金や賠償金などを支払わなければならないこともあり得ます。

労働契約にまつわる各種トラブルを防止するためにも、たとえば有給休暇の取得に関する社内ルールや割増賃金の算定ルールなど、社内規定や運用を見直す機会を設けることが重要です。また、社内研修を実施することで労働基準法などの法令知識を役員、社員に教育することも、法令遵守体制を構築するために重要となります。

ベリーベスト法律事務所の顧問弁護士サービスは会社のニーズに応じてプランを選択することができ、雇用契約書のレビュー、就業規則のレビューといったものから日常的な法律相談、社内規則の確認・検討、万が一のときの紛争対応など幅広いご活用が可能です。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

5、まとめ

「休みなら代わりの人を探して」など、現場レベルでは軽い気持ちで言ってしまうこともあるかもしれませんが、労働基準法に反する行為になるおそれもあります。

また、雇用の際に気を付けるべきことは、有給休暇の取得に関するルールや割増賃金のルールなどのほかにも多岐にわたります。会社の労務問題にはネットや書籍などには答えが書いていない、対応が悩ましいケースも多数生じてくるものです。

ベリーベスト法律事務所 姫路オフィスでは、幅広い労務問題を解決した実績が豊富にあります。まずはお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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