友人からの借金の取り立てが厳しい! 個人間トラブルを解決する方法
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姫路市にお住まいの方の中にも、「友人から借金をしたけれど、返済が滞ってしまい、厳しい取り立てに困っている」、「会社まで押しかけてきた」など、個人間の借金の厳しい取り立てに悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「金の切れ目は縁の切れ目」という言葉があるように、友人・知人などからの借金トラブルは、対応を間違えてしまうと、今までの友情や信頼関係を壊してしまうおそれがあります。
今回は、個人間の借金の厳しい取り立て行為の対処方法を姫路オフィスの弁護士が解説します。
1、個人間の借金で適用される法律は何?
個人間の借金には、民法および出資法、利息制限法が適用されます。クレジットカード会社や消費者金融といった貸金業者からの借入に用いられる貸金業法は適用されません。
民法では、個人間の借入も合意があれば問題ないとされており、借用書等がない口頭の約束であっても金銭消費貸借契約は成立します。
利息制限法では、貸金業者からの借入と同様に、次のように上限が定められています。この上限を超える部分の利息については、無効となります。
- 借入額が10万円未満なら年2割
- 借入額が10万円以上~100万円未満は年1割8分
- 借入額が100万円以上なら1割5分
また、個人が貸主であっても、年109.5%を超える割合による利息の契約は、出資法により規制されています。罰則は5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金です。
民法では、個人間の借入で利息の支払いについての合意がないときは、無利息となるとされています。また、利息の支払いについて約束をしているが、利率について定めていない場合は、法定利率である3%が利率となります。
令和2年3月31日までに発生した借金の時効は、貸金業者からの借入が5年であるのに対して、個人間の借入は10年です。令和2年4月1日以降は、民法改正によって、借入した相手が貸金業者であろうと、個人であろうと、同じく10年となりました。
2、どのような行為が違法な取り立て?
貸金業法では違法な取り立て行為について定められています。では、具体的にどのような行為が違法な取り立てとなるのか確認しておきましょう。
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(1)貸金業法により規制されている取り立て行為
貸金業法では、私生活や仕事の妨げになるような取り立てを禁じています。
違反した場合には、営業停止や貸金業登録の取り消しなどの行政処分、懲役または罰金などの刑に処せられる可能性があるほか、不当な行為によって生じた損害に対する損害賠償責任を負う場合もあります。
貸金業法では、次のような行為が禁じられています。- 多人数で押しかけるなど威迫するような行為をすること
- 午後9時から午前8時までの間に電話や訪問をすること
- 繰り返しの電話や訪問をすること
- 勤務先など自宅以外の場所へ電話や訪問すること
- 張り紙や落書きなどで、債務者の借入の事実やプライバシーに関する事項を公開すること
- 他の業者の利用をすすめて、弁済することを要求すること
- 債務整理の手続きに入った人への取り立て
- 家族など、支払い義務のない人への取り立て
ただし、貸金業法の対象となるのは、消費者金融や信販会社等などの法人です。したがって、個人間の借金は対象外となる点に注意が必要です。
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(2)個人間の借入で違法となる取り立て行為
前述のとおり、個人間の借入については、貸金業法における取り立ての規制は適用されません。そのため、厳しい取り立てでもグレーゾーンとなってしまい、処罰の対象とならない可能性もあります。
しかし、「お金を貸しているから」「返済が延滞しているから」といって、お金を借りた相手に対して何をしてもよいというわけではありません。
次のような限度を超える違法な取り立てをされた場合は、刑法違反となる可能性がありますので、警察に相談して対処してもらいましょう。- 勝手に自宅に入って来る(住居侵入罪)
- 自宅に居座る(不退去罪)
- 大声をあげる、乱暴な言葉で責める(脅迫罪)
- 殴るなどの暴力行為をする(暴行罪)
- 消費者金融や闇金などからの借入を迫る(強要罪)
- 勤務先に押しかけて、仕事の邪魔をする、同僚の前で返済を迫る(業務妨害罪)
- 物を壊す、落書きをする(器物損壊罪)
- 家族に返済を迫る(脅迫罪・強要罪)
警察に相談する際には、違法性を証明するために写真や録音、手紙、メール・LINEなどの履歴を証拠として残しておくとよいでしょう。
また、違法な取り立てによってケガをしたり、財産が破壊されたりした場合はその状態の写真を撮影しておきましょう。
3、弁護士へ相談するメリット
友人・知人からお金を借りている方は、暴力を振るわれるなどの身の危険を感じるケースを除けば、厳しい取り立てにあっても警察に訴えることを躊躇されるのではないでしょうか。個人間の借入であっても、あまりにも返済が遅い、連絡を無視するなどのケースは、当然、厳しい取り立てをされることになります。さらには、法的手続きを開始され、最終的には預金などを差し押さえ(強制執行)されるおそれもあるでしょう。
そのようなときは、弁護士に相談することをおすすめします。弁護士という第三者が間に入り、そろえた証拠をもとに債権者に行きすぎた取り立てをやめるようにと警告することで、厳しい取り立てを停止させることが期待できます。
また、ほかにも借入があり多重債務に陥っている場合には、個人からの借入も併せて債務整理を進めることができます。
弁護士に相談すれば、債権者と交渉するだけでなく、債務の状況や取り立ての実態などを把握して、最適なプランを提案してくれるでしょう。
4、個人間の借入トラブルを円満に解決する方法
個人間の借入トラブルの解決は、よほど悪質なケースを除けば、話し合いが基本です。お金を貸した相手も、あなたへの友情や信頼をもとにお金を貸しているからです。
しかし、「失業や減給などにより返済が難しい」「多重債務に陥っている」などの理由で、返済が滞り、厳しい取り立てが行われるまでに事態が悪化している場合もあるでしょう。そうなれば相手も感情的になっており、当事者だけで解決することは困難です。
警察沙汰になるなど、取り返しのつかない事態になる前に、早期に弁護士に相談することが円満な解決につながります。弁護士であれば違法な取り立て行為を止めさせるだけでなく、返済計画の見直しなど、相手側との交渉を代理人として行うこともできます。
5、まとめ
今回は、個人間の借金における厳しい取り立て行為に対処する方法について解説しました。友人・知人であっても、金銭が絡む問題は感情がこじれてしまい、解決が難しくなるケースが多いものです。しかし、弁護士に相談すれば、債務者・債権者ともに不利益にならないように、トラブルを解決へ導くためのサポートが行えます。
個人間の借金に関するトラブルでお困りの場合は、ベリーベスト姫路オフィスまでご連絡ください。姫路オフィスの弁護士が、スピーディーなトラブル解決に向けて力を尽くします。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています