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便乗解雇とは? 言い渡された解雇が不当なとき確認すべきこととは

2020年12月14日
  • 不当解雇・退職勧奨
  • 便乗解雇
便乗解雇とは? 言い渡された解雇が不当なとき確認すべきこととは

厚生労働省によりますと、令和2年8月末時点における兵庫県内で確認された新型コロナウイルスに関連する解雇・雇い止めは前週比224人増の1735人(見込みを含む)にのぼります。これは全国で5番目に高い水準です。

コロナ禍における解雇は、多くの会社にとって売り上げが落ち人件費を賄うことすら難しくなったことによる、苦肉の策でしょう。しかし、もしあなた自身に解雇されるような原因が思い当たらず、会社の経営も危機的状況に陥っていないのに突然解雇を告げられた場合は、昨今のコロナ禍における便乗解雇を疑ったほうがいいかもしれません。

本コラムでは、便乗解雇と違法な解雇のポイント、そして会社から違法な便乗解雇を告げられたときに取るべき対処方法について、ベリーベスト法律事務所 姫路オフィスの弁護士が解説します。

1、便乗解雇とは?

便乗解雇とは、法的な用語ではありません。会社に労働者を解雇する正当な事由がないのにもかかわらず、会社が世間の不況に伴う人員整理のトレンドに便乗する形で労働者を解雇する場合に、報道などで用いられている言葉です。

労働基準法など労働関連の法令により、会社は真にやむを得ない事情がないかぎり労働者を解雇できないようになっています。

しかし、会社が経営危機に伴う人員削減の必要性に直面していなくても、将来的な人員構成プランの観点や労働者個人の問題から、特定の労働者を解雇したいと考える会社は存在します。そこで、不景気により経営が行き詰まった多くの会社がやむを得ず人員削減を行う流れに便乗する形で、あるいはその陰に隠れるような形で行う労働者の解雇を行うケースがあるようです。

便乗解雇とも呼べる事象は、平成20年のリーマンショックや平成23年の東日本大震災でも見られた動きであり、昨今のコロナ禍においても便乗解雇に乗り出す会社が出ているといわれています。

2、便乗解雇は違法になる?

便乗解雇は、主に整理解雇または普通解雇に分類される解雇として行われているケースが多いようです。この2つの解雇についてみながら、便乗解雇の違法性について検討してみましょう。

  1. (1)整理解雇

    整理解雇は慣例的に「リストラ」とも呼ばれており、会社の経営が著しく悪化したなど正当な理由がある場合に、人件費削減のため労働者を解雇するというものです。

    ここでいう「正当な理由」は、以下の裁判所が示した「整理解雇の4要素」を基に検討されます。

    ・整理解雇の必要性
    経済環境などの要因で売り上げが落ち込んでおり、現状の雇用状況では人件費の圧迫により会社の存続そのものが危ぶまれるか。

    ・整理解雇を回避するための努力
    あくまで整理解雇は会社の存続を図るうえでの最終手段。整理解雇に踏み切る前に、人件費以外のコストの削減、新規採用の抑制、役員報酬の削減、希望退職者の募集など、会社として手段を尽くしていたか。

    ・対象者の人選の基準や運用の合理性
    労働者の勤務成績、勤続年数、スキル、能力など、整理解雇の対象となる労働者の基準が明確であり、その運用に合理性があるか。

    ・労働者への十分な説明と協議
    労働者やその代表と協議し、整理解雇の必要性、方法、対象者の基準、退職条件などを十分に説明しているか。

    なお、上記の4要素は整理解雇の合理性・正当性を総合的に判断するための要素にすぎないことから、整理解雇をするために4要素すべてを充足させている必要はないとする判例もあります。

    別の言い方をすると、上記の4要素をまったく満たさないで行われた整理解雇は、解雇そのものが法的に無効と判断されるでしょう。便乗解雇を行う会社の中には、会社の現状に何らかの理屈をつけて労働者を解雇するための正当性を作り上げようとする会社があると考えられます。

  2. (2)普通解雇

    普通解雇とは、会社がいくら注意や指導をしても改善が見込めないと判断された場合等に行われる解雇です。

    たとえば、以下のようなときに行われる可能性があります。

    • 労働者が病気やケガのため長期にわたって職場復帰が見込めない
    • 会社から見て労働者の勤務態度が著しく悪い
    • 能力やスキルが著しく低いなど


    しかし、「勤務態度が著しく悪い」という解雇理由には、勤務態度の悪さの程度、それによる周囲の労働者への影響度など、明確かつ客観的な理由が必要です。また、「能力やスキルが著しく低い」という理由には、労働者の能力やスキル向上のための会社による指導の有無、さらに能力やスキルの低さが労働契約の目的を達成することができないほどの水準であることがもとめられます。

    また、労働者が抱える病気やケガが会社の業務に耐えられないほどのものと合理的に判断できないかぎり、それを理由に解雇することは原則としてできません。特に病気やケガが会社の業務に起因したものであれば、そのハードルは一層高くなります。

3、会社から解雇を言い渡されたときしてはいけないこと

労働契約法第16条では、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と規定しています。

したがって、もし会社から違法な解雇を言い渡されたとしても、それはそもそも解雇権の濫用として無効なのですから、簡単に退職届の提出に応じてはいけません。その際、会社に対して労働基準法第22条で規定する解雇理由証明書の発行を請求することはもちろんのこと、あなたを解雇する理由をしっかりと聞き出してください。

そして、当該解雇理由について不当性が疑われる場合は、弁護士に相談などのうえ会社側が行った解雇に違法性があるかどうか、しっかりと確認してください。

いくら解雇理由が不当であったとしても、一度退職をしてしまうとその後の復職は難しいでしょう。決してその場で同意書にサインをするなどの行動はせず、弁護士に相談しながら対応を検討してください。

4、会社から解雇を言い渡されたときすべきこと

繰り返しになりますが、解雇を言い渡されたとき、すぐに同意書や退職届にサインをするなどの行為は取り返しのつかない結果になってしまいます。その場で即答するのではなく、以下の行動を検討してください。

  1. (1)労働基準監督署に相談する

    労働基準監督署は厚生労働省の出先機関のひとつで、会社など労働者の使用者が労働基準法をはじめとする労働関連法令を遵守しているかどうかを監視する機関です。

    労働基準監督署の職員である各地の労働基準監督署長および労働基準監督官は、労働関連法令違反に関する捜査を行う権限、さらに違法行為が認められた会社および使用者を逮捕・送検する権限を有しています。

    ただし、労働基準監督署が動くことができるのは、会社や使用者に明確な法令違反が認められ、かつ労働者に実害が発生している場合です。したがって、労働基準監督署に便乗解雇が疑われる解雇を訴えたとしても、あなた個人のために交渉などの対応をするわけではありません。

  2. (2)弁護士に相談する

    弁護士は法律の専門家であるだけではなく、依頼者の代理人になることが認められています。

    そのため、依頼を受けた弁護士は、直ちにあなたの代理人として動き、解雇の無効を訴え会社と交渉します。あなたが労働基準監督署に便乗解雇の不当性を訴えたのにもかかわらずなかなか動きが見られない場合であっても同様です。

    また、会社との交渉が決裂し労働審判や裁判に移行した場合であっても、弁護士は一切の手続きを行い労働審判や裁判にも出頭してあなたをサポートします。

5、まとめ

あなた自身の勤務先が相手といっても、便乗解雇のように不当性が疑われるような解雇に対しては、安易に応じる必要はありません。泣き寝入りする必要はないでしょう。あなたの労働者としての権利を守るために、毅然と対応すべきです。

しかし、会社を相手にするということは個人対組織の争いになってしまうため、多勢に無勢となりがちです。そのような中で対応を間違えると、あなた自身がさらに悪い状況に追い込まれてしまうケースは少なくないようです。

そのようなときに、あなたの心強い味方となるのが弁護士です。労働問題に関する知見と解決に実績のある弁護士であれば、あなたのパートナーとして便乗解雇からの救済に向けてサポートします。

ベリーベスト法律事務所 姫路オフィスでは、便乗解雇のような不当解雇に関するご相談を承っております。ぜひお気軽にご連絡ください。あなたのために、ベストを尽くします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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